コンピュータ・ソフトウエアの保護(7)
2014.05.14 10:00
<コンピュータ・ソフトウエア関連発明の保護>
今回は、「ポイントサービス方法」というビジネス分野の発明を例に挙げながら、特許法上の「発明」に該当するか否かの判断がどのようになされるかについてご説明します。
<特許を請求する発明1>
テレフォンショッピングで商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
贈与するポイントの量と贈答先の名前が電話を介して通知されるステップ、
贈答先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電話番号を取得するステップ、
前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、及び
サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電話番号を用いて電話にて贈答先に通知するステップとからなるサービス方法。
<結論>
特許法上の「発明」には該当しない
<理由>
「電話」、「顧客リスト記憶手段」という手段を使用するものであるが、全体としてみれば、それらの手段を道具として用いる人為的取り決めそのものであり、「自然法則を利用していないもの」に該当するので、「発明」には該当しない
<特許を請求する発明2>
テレフォンショッピングで商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
贈与するポイントの量と贈答先の名前がインターネットを介して通知されるステップ、
贈答先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電子メールアドレスを取得するステップ、
前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、及び
サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電子メールアドレスを用いて電子メールにて贈答先に通知するステップとからなるサービス方法。
<結論>
特許法上の「発明」には該当しない
<理由>
「インターネット」、「顧客リスト記憶手段」、「電子メール」という手段を使用するものであるが、全体としてみれば、それらの手段を道具として用いる人為的取り決めそのものであり、「自然法則を利用していないもの」に該当するので、「発明」には該当しない
<特許を請求する発明3>
テレフォンショッピングで商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
贈与するポイントの量と贈答先の名前がインターネットを介してサーバーに入力されるステップ、
サーバーが、贈答先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電子メールアドレスを取得するステップ、
サーバーが、前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、及び
サーバーが、サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電子メールアドレスを用いて電子メールにて贈答先に通知するステップとからなるサービス方法。
<結論>
特許法上の「発明」に該当する
<理由>
サーバーが「顧客リスト記憶手段」を検索して贈答先の電子メールアドレスを取得すると共に、「顧客リスト記憶手段」に記憶されている贈答先のポイントに加算し、取得した贈答先の電子メールアドレスに対して通知を行うという処理を、ハードウエア資源であるコンピュータを用いて具体的に実現した情報処理システムの動作方法であり、「ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されたもの」であるから、「発明」に該当する

