不正競争防止法(2)
2014.01.22 10:00
<不正競争防止法における「商品等表示」>
不正競争防止法には、「人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器、商品の包装」が、「商品等表示」として条文に例示列挙されていますが、過去の判決においては、「タイプフェイス」、「マンション名」、「ウエットスーツの三色ライン」、「幼児用玩具の形態」等についても「商品等表示」と認められています。
1.タイプフェイス
「無体物であっても、その経済的価値が社会的に承認され、独立して取引の対象とされている場合には、「商品」に該当しないとするのは相当でない。」
東京高裁平成5年12月24日 平成5年(ラ)第594号)
2.マンション名
「マンションは、商取引の目的となって市場における流通が予定され、それ自体に表示を使用してその出所が識別される性質を備えている物として、不正競争防止法第2条第1項第1号にいう「商品」に該当する物とされる。」
東京地裁平成16年7月2日 平成15年(ワ)第2743号)
3.ウエットスーツの三色ライン
「…このように商品と特定の色彩・配色との組み合わせも又、商品の形態と同様、不正競争防止法一条一項一号にいう「他人ノ商品タルコトヲ示ス表示」たり得るものとはいわなければならない。」
大阪地裁昭和58年12月23日 昭和56年(ワ)第7770号)
4.「商品表示等表示性」についての主な事件の一覧
・「仮面ライダー」・「仮面ライダーV3」の姿をした人形の形態
「商品等表示」と認められなかった (昭和49年(ワ)第2092号)
・幼児用玩具の形態
「商品等表示」と認められた (平成6年(ワ)第24055号)
・システム什器の形態
「商品等表示」と認められなかった (平成12年(ワ)第12675号)
・家電の色
「商品等表示」と認められなかった (平成6年(ネ)第1518号)
・色番号
「商品等表示」と認められなかった (平成15年(ワ)第825号)
・映画の題名
「商品等表示」と認められなかった (平成17年(ネ)第10013号)