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PCT国際出願(3)

2013.12.25 10:00

今回は、国際調査・補充国際調査について説明いたします。

1.国際調査
受理官庁(日本特許庁)に対してPCT国際出願を行うと、自動的に国際調査機関(日本特許庁)が国際調査を行い、出願人に国際調査報告が送付されます。

国際調査の目的は、国際出願の請求の範囲に記載された発明に「関連のある先行技術」を発見することであり、国際調査報告には、
・関連があると認められた先行技術または関連技術が記載された文献のリスト
・発明の分類(国際特許分類)
・調査を行った技術分野
・発明の単一性の欠如に関する情報
等が記載されています。

また、国際調査機関は、併せて、国際出願の請求の範囲に記載された発明が特許性(新規性、進歩性、産業上の利用可能性)を有するものと認められる否かの審査官の見解を示した国際調査見解書を作成し、出願人に送付します。

国際調査見解書に示された特許性についての見解は、予備的かつ非拘束なものであり、最終的な特許性の判断は、各指定官庁に委ねられていますが、特許庁の審査官の見解であることから、出願人にとっては、国内移行をするか否かの判断のための有用な情報となります。

2.補充国際調査
国際調査に加えて、出願人の任意の請求により、別の国際調査機関による国際調査を提供する補充国際調査が、2009年1月から開始されました。

補充国際調査の目的は、複数の国際調査機関に調査を依頼することによって、国際段階で先行技術を極力把握し、国内段階で新たな先行技術文献が発見される可能性を減少させることです。

補充国際調査は、出願時における国際出願に基づいて、発明の単一性の要件を満たす一の発明のみについて行われます。

補充国際調査の請求は、出願人が優先日から19ヶ月までにWIPO国際事務局に対して行う必要があります。
補充国際調査は、遅くとも優先日から22箇月の期間が満了する時までに開始され、優先日から28箇月以内に補充国際調査報告書が作成されます。

なお、2012年8月時点の補充国際調査機関は、以下の通りです。
・オーストリア特許庁
・欧州特許庁
・フィンランド特許庁
・連邦知的財産特許商標行政局(ロシア特許庁)
・スウェーデン特許登録庁
・北欧特許庁

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