ネーミング(6)
2013.06.05 10:00
今回から数回にわたって、具体的なネーミングの案出手法と代表的な事例についてお話しします。
前々回にお話ししましたネーミングの案出作業における前半のプロセスにおいて、抽出・展開したキーワードから具体的なネーミング案を創出する「造語」の作業には、これから8回にわたってお話しする8つの方法が主として用いられます。
1)組み合わせ( A + B = AB)
2つのキーワードを、基本的にそのままの形で単純に組み合わせる。
【事例】
■COPPERTONE(コパトーン:日焼けオイル)
→COPPER(銅)+TONE(色合い)<3条1項3号回避>
■BANDAID(バンドエイド:絆創膏)
→BAND(帯)+AID(助け)
■POWERSHOT(パワーショット:デジタルカメラ)
→POWER(力)+SHOT(撮影)
■鼻セレブ(ティッシュペーパー)
→鼻+セレブ・・・高品質を訴求
■ライフネット生命(生命保険)
→蒸気レス+IH・・・IH方式の炊飯器で、蒸気が出ないという新機能を訴求
〈3条1項3号回避〉
【メリット】
・分かり易いキーワードをそのまま繋げるので商品特性が伝わりやすい。
・片方が登録不可でも、組み合わせで一体的な造語となれば登録の可能性あり。
(「蒸気レスIH」は、「蒸気レス」「IH」では3条1項3号で拒絶のはず)
・多区分での登録可能な商標を作りやすい。
【注意点】
・二語を対等関係にする必要あり。
・一方が著名商標や単なる品質表示とならないよう配慮する必要あり。
・二語が分離認識されない配慮が必要。
(スペースを入れない、文字の色・大きさ・書体を変えない等)

