MBA学位取得しました。
2013.03.27 10:00
今月の16日に学位授与式があり、経営管理修士(MBA)の学位を取得いたしました。
2年前(2011年)の4月に、関西学院大学 専門職大学院 経営戦略研究科(ビジネススクール)に入学し、今年の3月までの2年間、経営の勉強をしてまいりました。仕事をしながらの勉強は大変でしたが、それまで知らなかった様々な知識に触れることができ、非常に刺激を受けました。
最後の半年は、「経営」、「マーケティング」、「ファイナンス」、「テクノロジー・マネジメント」、「アントレプレナー」の5つのプログラムから1つのプログラムを専攻すると共に、その専攻プログラムに沿って自らのテーマを決めて研究をし、その成果を論文として提出しなければなりません。
私は、ファイナンスプログラムを専攻し、既存商品や競合企業との関係で、新商品をどのようなタイミングで投入すれば、企業価値を最大化できるかということについて研究しました。
私は、技術を相手にする弁理士という仕事をしていますので、テクノロジー・マネジメントプログラムにしようかとも迷ったのですが、「ファイナンス」、「金融工学」、「ゲーム理論」、「企業ファイナンス」といった講義で、経営者の仕事は企業価値を最大化することで、その企業価値(事業価値)は計算によって求めることができるということを教えていただき、それが目から鱗で、最終的にファイナンスプログラムを専攻することに決めました。
「ファイナンス」という言葉からは「金融」というイメージがでてきますが、私が学んだ「ファイナンス」は、例えば、企業価値や事業価値といった様々な価値を計算することによって、経営者やマネジャーが少しでも的確な経営判断や意思決定を行うことができるようにするというものでした。例えば、M&Aでは買収しようとする企業の価値を求めなければ、いくらで買収すれば自社の企業価値を高めることができるかということも分かりませんし、企業が新規事業を立ち上げる際、その事業の価値を求めなければ、その事業をやるべきか否かの意思決定を行うことはできません。つまり、価値が分からなければ、勘で決めるしかありませんので、ギャンブル性が高くならざるを得ません。
企業経営においては、不確実な要素が数多く存在していますので、企業価値や事業価値というものを正確に計算することは不可能ですが、想定しうる種々な情報を使って価値を計算することで、経営判断や意思決定が大きく間違っていないというところまで持っていくことは可能であると考えられます。
今後は、私が学んだ「ファイナンス」、「リアルオプション」、「ゲーム理論」等の知識を企業経営、特に、中小企業の経営者の方に活用していただきたいと考えております。そこで、近々、「MBA弁理士のファイナンス講座」を開講し、ファイナンス理論等を少しずつ分かりやすくご説明していきたいと思っていますので、興味のある方は是非お読みください。
また、修士論文「リアルオプションとゲーム理論を用いた新商品投入の適正タイミングの考察」修士論文を書くに当たって、事業価値評価モデルを構築し、様々なパラメータを入力することによって、自社の新商品をどのようなタイミングで投入すればよいのかを計算することができるエクセルファイルを作成しておりますので、ご興味のある方はご連絡ください。エクセルファイルをお送りさせていただきますので、実際に使ってみて下さい。その際は、是非フィードバックをお願いします。
今後ともよろしくお願いいたします。
弁理士 西村陽一