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知的財産契約(4)

2013.10.30 10:00

今回は、ライセンス契約において、「第三者の権利侵害によってライセンス対象の利用に障害が生じた場合」及び「ライセンス対象の利用によって第三者の権利を侵害することになった場合」について説明します。

1.権利侵害に関する担保責任
契約書上では、第三者による権利侵害に対して、ライセンサーが侵害排除義務を負う規定を設けるか否かを検討すべきであり、具体的には、以下のような規定を設けることになります。

第○条 乙(ライセンシー)は本権利に関し、第三者の侵害又は侵害の恐れのある行為を発見したときは、直ちに甲(ライセンサー)に通知しなければならない。

第○条 乙(ライセンシー)は本権利に関し、第三者の本権利を侵害又は侵害する恐れのある事実を知ったときは、直ちにその旨を甲(ライセンサー)に通知するものとする。
2 甲は、前項の通知を受けた場合には、乙と協議の上、自己の判断に基づき当該侵害行為を排除又は予防するための合理的な措置を講じるものとする。…

第○条 乙(ライセンシー)は、本権利に関し、第三者による侵害の事実または侵害のおそれがある行為を発見したときは、直ちに甲(ライセンサー)に通知するものとし、必要に応じて甲乙協力してその排除または予防の措置をとるものとする。

なお、ライセンシーが専用利用権者の場合は、ライセンシーが侵害者に対する差止請求権・損害賠償請求権を有する旨の明文規定(特許法100条、102条等)が設けられていますが、通常利用権の場合はそういった規定がありません。従って、ライセンシーが通常利用権者の場合は、民法が適用されることになります。民法上、ライセンシーが通常利用権者の場合は、差し止め請求権はなく、判例は、独占的通常利用権者についてのみ損害賠償請求権を認めています。

2.第三者の権利侵害
ライセンス契約においては、ライセンシーがライセンス対象を利用することによって第三者の権利を侵害することになった場合、そのリスクをどちらの当事者が負担するのか、契約をどうするのか等を検討して契約書に盛り込む必要があります。
一般的には、以下のような規定を設けることになります。

第○条 甲(ライセンサー)は、乙(ライセンシー)に対し、当該権利に係る対象の利用が第三者の本権利を侵害又は侵害しないことを保証しない。
2 本件対象の利用が前項の第三者の権利を侵害することとなる場合、本契約は当然に終了し、権利侵害が確定した時点以降の利用料の支払義務は発生しないものとする。なお、乙は、当該時点までに発生した実施料について、その支払を拒絶し、又は、甲に対し返還請求を行うことはできないものとする。

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