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特許買い取り官民出資 ファンド設立へ 国外流出を防止

2013.08.07 10:00

特許買い取り官民出資 ファンド設立へ 国外流出を防止

官民ファンドの産業革新機構とパナソニック、三井物産は、日本企業を対象に、活用されていない特許を買い取り、別の日本企業に売却・貸与するファンドを設立する。経営難やリストラで日本企業が売却した特許が韓国や中国の企業などに買われることで日本の製造業などの競争力を損なう事態を防ぐ。日本企業の知的財産を守るための初のファンドとなる。

革新機構などが25日発表し、本格的に業務を始める。ファンドには当初は革新機構が資金の大半を出資し、パナソニック、三井物産と合計30億円規模で発足する。最終的に日本企業10社程度が出資し、運用資金を300億円規模にする。

企業から買い取って売却した利益の一部は元の企業に還元する。事業拡大を目指すベンチャー企業の創業支援も行う。休眠特許も更新料などがかかる。ファンドが買い取ることで企業負担を緩和する狙いもある。

買い取り対象は、事業改革を進めている電機メーカーが持つ携帯電話、液晶パネル、半導体関連などの特許を想定している。事業の見直しで不要になったり、単独で活用できなくなったりした休眠特許も買い取る。買い取った特許を外国企業が日本企業の特許を侵害していないか調査し、不正利用があった場合は特許使用料の請求も行う。

半導体や薄型テレビ業界では、事業から撤退する日本企業が特許を韓国や中国企業に売却し、日本企業がさらに劣勢に陥るケースもある。韓国サムスン電子製の有機ELテレビには、もともとNECが持っていた特許が使われている。

読売新聞 2013年7月25日 朝刊

今回設立されるファンドは、活用されていない日本企業の特許権を買い取り、別の日本企業に譲渡または貸し渡すことによって、日本企業が所有している休眠特許が海外に流出して産業競争力を損なうことを防止することを目的として設立されるものです。

従来から叫ばれている「休眠特許の活用」を日本企業間に限定したものと考えることができ、休眠特許の売却先を日本企業に絞り込むことによって、日本企業が所有している休眠特許の活用が従来に比べて促進されるのかは疑問です。

一方、「知財の利回り(岸宣仁 著/東洋経済新報社発行)によれば、米国においては、投資家からファンドを調達し、人間の頭脳に投資して生まれた成果を投資家に還元するというビジネスモデルを作り上げた「インテレクチュアル・ベンチャーズ」という新興企業があるようです。
この企業の具体的な事業内容は、
①インベストメント
既に権利化された特許(出願中のものを含む)を買い取り、企業などにライセンスしてロイヤリティーを得る
②ファクトリー
社内のスタッフだけでなく、社外の発明家と共に協働して発明を想像し、特許出願して権利化を目指す
③ディベロップメント
大学、研究機関、企業の研究者とパートナー契約を結び、彼らの発明や特許の市場性を評価すると共に、社内の専門家が特許出願の代行をしたり、商品化戦略のアイディアを練ったりする
という3つのプログラムで構成されています。

また、同社の社長は、企業に投資するマーケット、即ち、企業が発行する株式を売買する「株式市場」と同じように、「知」に投資するマーケット、即ち、「特許(発明)」を売買する「特許(発明)市場」が出来上がる可能性があることを示唆しています。

いずれにせよ、これからは、「知」というものをいかにビジネスに結びつけていくのかが重要であることは間違いないようです。

弁理士 西村陽一

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