商標登録制度とは?

6.商標登録制度とは?

1.概要

 商標登録制度は、商品やサービスに使用されるネーミングやマークに蓄積された業務上の信用を保護する制度です。
 保護対象である「商標」は、有体物である商品に使用される「商品商標」、有体物である商品を持たない飲食業、ホテル業、輸送業等といったサービス業が提供するサービスに使用される「役務商標(サービスマーク)」、小売業者、卸売業者がその業務に係る小売・卸売に使用する「小売役務商標」の三種類に分類されており、会社名、商品名、サービス名等のように文字だけからなる文字商標、ロゴマークのように図形だけからなる図形商標、記号だけからなる記号商標、文字と図形や記号とが結合した結合商標の他、キャラクター人形等のような立体的な商標も保護の対象となっています。
 商標登録制度は、単に「商標」だけを登録するというものではなく、「商標」とその商標を使用する「商品」、「役務(サービス)」、「小売役務」とを組み合わせて登録するようになっており、商品、役務(サービス)及び小売役務は、特許庁により、45の区分に分類されています。

2.商標権を取得するには

 営業者が使用する商標について商標登録を受けるには、所定の様式に従って、「商標」と、その商標を使用する「商品、役務又は小売役務」及びその「区分」を指定した願書を作成し、これを特許庁に提出(商標登録出願)する必要があります。
 商標登録出願を行うと、自動的に審査官による審査が行われます。審査官は、出願商標が商標としての機能である自他商品・役務識別力を有しているか否か、出願商標と同一・類似の商標が、同一・類似の商品、役務について登録されているか否かを審査します。
 審査の結果として、審査官から許可の可否についてのアクションがあります。出願商標が自他商品・役務識別力を有し、かつ、同一・類似の商標が同一・類似の商品、役務について登録されていない場合は、許可通知としての「登録査定」が出され、出願商標が自他商品・役務識別力を有していなかったり、同一・類似の商標が同一・類似の商品、役務について既に登録されている場合は、拒絶理由通知が出されます。
 「拒絶理由通知」が出された場合は、通常、40日以内に意見を述べる機会が与えられ、出願当初の内容を逸脱しない範囲で補正が認められます。
 「拒絶理由通知」に対して意見書や補正書を提出すると、審査官は、出願人の意見等を参酌して再度審査を行い、許可してもよいとの心証を得た場合は登録査定が出され、許可してもよいとの心証を得られない場合は、拒絶査定が出されます。なお、当初の拒絶理由は解消されたが、新たな拒絶理由が発見された場合は、再度拒絶理由通知が出されます。
 「登録査定」が出された場合は、登録料を納付することによって設定登録され、商標権が発生します。一方、「拒絶査定」が出された場合は、3ヶ月以内に上級審である審判を請求することによって不服申立てを行うことができます。審判を請求すると、3名の審判官の合議体が審査官の判断が適切であったかどうかを審理することになります。
 商標権の権利期間は10年ですが、更新手続きを行うことによって、永久に権利を維持することができます。

3.商標権の効力

 商標権者は、指定した商品・役務について登録商標を独占的に使用することができるだけでなく、指定した商品・役務についての登録商標に類似する商標の他人による使用、指定した商品・役務に類似する商品・役務についての登録商標の他人による使用及び指定した商品・役務に類似する商品・役務についての登録商標に類似する商標の他人による使用を阻止することができます。
 従って、第三者が無断で指定商品・役務または類似する商品・役務について登録商標または類似商標を使用すると、商標権を侵害したことになり、商標権者は、裁判を提起して、侵害行為の差止、損害額の賠償等を請求することができます。

4.商標権の利用

 特許権の場合と同様に、第三者に商標権を譲渡したり、ライセンスにより、登録商標の使用権を第三者に許諾することができます。
 特に、指定商品・役務が複数ある場合は、指定商品・役務毎に商標権を分割して譲渡することができます。

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