7.著作権とは?
著作権法による保護の対象は著作物であり、著作物を創作した時点で著作権が発生します。つまり、特許権等の産業財産権のように登録されて権利が発生するものではありません。
著作権法で保護の対象となる著作物であるためには、「『思想又は感情』を表現したものであること」及び「『文芸,学術,美術又は音楽の範囲』に属するものであること」という2つの要件を満足している必要があります。従って、単なるデータ、アイデア等、他人の作品の単なる模倣及び工業製品等は除かれます。
著作者とは、著作物を創作した人のことです。また、以下の要件をすべて満たした場合に限り、創作活動を行った個人ではなく、その人が属している会社等が著作者となります。
- その著作物を作る企画を立てるのが法人その他の使用者であること。
- 法人等の業務に従事する者の創作であること。
- 職務上作成されること。
- 公表するときに法人等の名義で公表されること。
- 契約や就業規則で職員を著作者とする定めがないこと。
著作者の権利としては、「著作権」、「著作者人格権」、「著作隣接権」があります。著作権の原則的保護期間は、著作者が著作物を創作した時点から著作者の死後50年までです。なお、団体名義の著作物については公表後50年であり、映画の著作物については公表後70年です。
著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し,その取得のためになんら手続を必要としませんが、著作権関係の法律事実を公示するとか、あるいは著作権が移転した場合の取引の安全を確保するなどのために登録制度が設けられており、著作物又は著作権等について著作権法で定められた一定の事実があった場合に、その内容を登録することができます。
8.営業秘密とは?
企業秘密、トレードシークレットあるいはノウハウとも呼ばれ、不正競争防止法では、例えば、技術、ノウハウ、経営情報、顧客情報等であって、(1)秘密として管理され、(2)事業活動に有用で、(3)公然と知られていない情報 が営業秘密として保護されます。
また、営業秘密として保護されるには、判例等では、「秘」「極秘」などとその他の情報と客観的に区別されて、情報媒体とその管理施設へのアクセスが制限されていることが要件となっていいます。
こういった営業秘密を不当に使用した場合は、一定の要件で不正競争行為となり、不正競争防止法違反となります。
9.商品形態とは?
不正競争防止法では、他人の商品の形態を模倣する行為について、以下の要件をすべて満たした場合を不正競争行為と規定しています。
1.商品形態の模倣であること
独自の創作である場合は「模倣」ではありません。
実質的同一性を失わない程度の改変は「模倣」として規制されますが、類似の形態にまで規制が及びません。
従って、「模倣」であるか否かを問わず、登録意匠の類似形態まで保護される意匠権を取得しておくことが望ましいといえます。
2.模倣商品を譲渡等すること
試験研究のための模倣商品の製造は不正競争行為に該当しません。
3.保護期間内の侵害行為であること
最初に発売した日から3年しか規制できません。従って、発売から3年経過後も他人による商品形態模倣行為を阻止したければ、事前に意匠権を取得しておく必要があります。
4.同種の商品が通常有する形態ではないこと
こういった形態は、何人も自由に利用できる形態として、特定の者に独占させないことが社会にとって望ましいからです。