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知的財産契約(3)

2013.10.09 10:00

今回は、ライセンス契約におけるライセンスの対象と対価について説明します。

1.ライセンス契約の対象
まず、ライセンスの前提となる権利を特定する必要があります。
知的財産権は無体物であり、権利内容が不明確であるという特性を有していますので、その点を考慮してできるだけ明確になるように特定する必要があります。
最も確実な権利の特定方法としては、特許番号や登録番号で特定する方法です。
それ以外に、「~製品に使用されている全ての特許」といった特定方法も可能です。
なお、現在は、出願中の発明についても、仮通常実施権として予め実施許諾することが認められていますので、必要な技術については、権利発生前であっても仮通常実施権の許諾を求めることを検討することも重要です。
そして、当該特許発明又は登録商標を、実施又は使用する地域、期間、態様等を特定します。

2.ライセンスの対価(実施料、使用料)
ライセンスの対価をどのように決定するかは、ライセンス契約の確信をなす要素であり、実務上も、交渉の中心をなす事項であるといえます。実施料や使用料等を、自社に如何に有利に取り決めるかが極めて重要になります。
実施料・使用料の種類としては、
①イニシャルペイメント
②ランニングロイヤリティ
③ミニマムロイヤリティ
があります。
「イニシャルペイメント」は、頭金であり、契約締結までのコストはここで回収します。
「ランニングロイヤリティ」は、売上や数量に応じて、契約期間中、継続して支払うものであり、対象製品を明確にしておく必要があります。売上に応じて支払う場合は、売上高に対して実施料率を設定し、それらを掛け合わせた値をロイヤリティとするのが一般的です。
「ミニマムロイヤリティ」は、売上等に関係なく最低限支払うランニングロイヤリティです。ランニングロイヤリティの収益はライセンシーの販売能力によることろが大きいので、「独占的通常実施権」を許諾するライセンス契約では考慮しておく必要があります。また、ライセンシーが実施しないときは契約を解除できるようにしておくことも検討する必要があります。

 

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