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ネーミング(1)

2013.05.01 10:00

これから数回にわたってネーミングについてお話しさせていただきます。

1.ネーミングとは
まず、ビジネス社会における「ネーミング」は、何らかの対象(商品、サービス等)に適切な「ネーム(名称)」を考案して与える作業であり、主にその対象物の需要者(消費者)やステークホルダー等に対する「情報発信」を目的としています。

2.ネーミングの分類
ビジネスにおけるネーミングは、大きく以下のように分類できます。

①商品又はサービスの名称
商品又はサービスの名称は、複数の商品(サービス)群に共通して使用する「シリーズ名」と、個別の商品(サービス)毎に付される「アイテム名」に分かれる場合があり、それらを単体で、あるいは組み合わせて使用することがあります。また、商品(群)やサービス(群)を互いに識別するための文字や記号が付加される場合もあります。
②組織(会社、団体、機関、店舗等)の名称
組織の名称には、いわゆる法人名や屋号のほか、近年は地域名や施設名も含まれます。
③ブランド名
ブランド名は、一般的には複数の商品(サービス)群に共通して使用する包括的な上位名称で、組織の名称自体がブランド名となっている場合も多くあります。ブランド名には、従来の特定企業の「事業ブランド名」のほか、近年は連携する複数企業が共通して使用する「企業横断ブランド名」も増えています。
「事業ブランド名」としては、例えば、KDDIの移動体通信事業ブランド「au」、花王の化粧品ブランド「ソフィーナ」等が該当します。
また、「企業横断ブランド名」としては、例えば、アサヒビール、近畿日本ツーリスト、トヨタ自動車等、業種を越えた複数の企業が共通して用いるブランド名「Will」があります。
④コミュニケーション名
コミュニケーション名は、主たる名称を補完する補完的名称(愛称)であり、サブネームやペットネーム、キャラクターネーム、スローガンなどがこれに当たります。
例えば、「日本電気株式会社」の場合、「NEC」がこれに該当します。
サブネームやペットネームは主たる名称に必要に応じて付加して使用することでその情報発信力を補完するもので、サブネームは商品(サービス)の特性を補足的に表示し、ペットネームは需要者(消費者)に親しみやすさ等の印象を喚起するイメージ的なものが多く見られます。
キャラクターネームは、商品(サービス)とは別に設定した架空又は実在のキャラクターの名称で、それを単体あるいは商品(サービス)名に付加して使用し、キャラクター自体が有する知名度による商品(サービス)の顧客誘因力の強化を図るものです。
スローガンは、主にブランドの将来的な方向性を示唆するメッセージ的な表現であり、企業名とのシナジー効果の発揮を意図するものが多く見られます。例えば、トヨタの「Drive Your Dreams.」がこれに該当します。
⑤機能名・特性名
近年のネーミングの新たな傾向として、商品・サービス名やブランド名とは別に、商品・サービスの機能や特性を表し、これを共通の機能や特性を有する複数の商品・サービスに横断的にサブネームとして使用するネーミングが増えています。例えば、シャープ株式会社のイオン発生機能の搭載商品群に使用されている「プラズマクラスター」がこれに該当します。こうした機能名・特性名は、新機能に関する技術を特許出願する際に、その機能を搭載する商品の展開に当たり商標登録について検討する必要があります。

ネーミングを検討する際には、まず、当該ネームが、ビジネスにおいて上記のどの役割を果たすものとするかを検討することが望ましいと思われます。

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