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コンピュータ・ソフトウエアの保護(2)

2014.04.09 10:00

<コンピュータ・ソフトウエア関連発明の保護>

 コンピュータ・ソフトウエア関連発明については、時系列的につながった一連の処理または操作で表現できるときは「方法の発明」として、複数の機能によって表現できるときは「物の発明」として、特許を申請することが出来ます。

 

 「物の発明」として特許を申請する場合は、ソフトウエアで制御される「装置」、複数の装置が接続された「システム」、コンピュータを制御する「プログラム」、そのプログラムが記録された「記録媒体」として表現することが出来ますが、「プログラム信号」や「データ信号」といった表現は、物か方法かを特定することが出来ないため、認められていません。また、「…方式」と表現すると、方法の発明ではなく、物の発明として取り扱われます。

 例えば、以下のように表現することが認められています。

・「コンピュータに手順A、手順B、手順C、…を実行させるためのプログラム」

・「コンピュータに手順A、手順B、手順C、…を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」

 

○不明確な発明の取り扱い

特許法第36条第6項第2号は「特許を受けようとする発明が明確であること」を規定しており、例えば、以下に示すような表現で特許を請求した場合は、発明が不明確であるとして、同号違反とされます。

 

例1

<特許を請求する発明>

コンピュータを用いて、

顧客からの商品の注文を受け付けるステップと、

注文された商品の在庫を調べるステップと、

該商品の在庫がある場合には該商品が発送可能であることを前記顧客に返答し、該商品の在庫がない場合には該商品が発送不能であることを前記顧客に返答するステップ

を実行する受注方法。

<理由>

上記表現では、「コンピュータという計算道具を操作する方法」とも、「コンピュータ・ソフトウエアによる情報処理方法」とも解釈でき、各ステップにおける動作の主体が特定されたことにならないために、発明を明確に把握することができないからです。

 

例2

<特許を請求する発明>

顧客からの商品の注文を受け付ける受注手段と、

注文された商品の在庫を調べる在庫調査手段と、

該商品の在庫がある場合には該商品が発送可能であることを前記顧客に返答し、該商品の

在庫がない場合には該商品が発送不能であることを前記顧客に返答する顧客応対手段と

を備えたプログラム。

<理由>

「プログラム」は、コンピュータを手段として機能させるものですが、「プログラム」そのものが「手段」として機能するものではありませんので、「プログラム」そのものが機能手段を備えていることはあり得ず、発明を明確に把握することができないからです。

 

なお、上記表現を以下のように修正すると、コンピュータを手段として機能させるものであることが明確になり、特許法第36条第6項第2号違反とはなりません。

 

<特許を請求する発明>

コンピュータを

顧客からの商品の注文を受け付ける受注手段と、

注文された商品の在庫を調べる在庫調査手段と、

該商品の在庫がある場合には該商品が発送可能であることを前記顧客に返答し、該商品の在庫がない場合には該商品が発送不能であることを前記顧客に返答する顧客応対手段

して機能させるためのプログラム。

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