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中国における権利行使

2013.03.20 10:00

中国における知的財産権侵害に対する権利行使は、行政機関に求める行政救済ルート(行政摘発)と裁判所に求める司法救済ルート(民事訴訟)の二つのルートが存在する。利用頻度が高いのは行政取締りであり、2010年では、行政機関への取締要請2,972件中、行政摘発件数は2,631件であった。ちなみに、2009年の民事訴訟提起件数は32件であった。

 

<行政救済ルート>

●代表的な行政取締り機関

・地方商工行政管理局(AIC)

商標法及び不正競争防止法に基づき取締りを行う。

商標権侵害

知名商品特有の名称、包装、装飾の模倣品

・地方質量技術管理局(TSB)

製品質量法を根拠に、消費者保護の観点から模倣品取締りを行う。

原産地の詐称、他人の工場名・工場住所の詐称・盗用など

偽物の混合、偽物を本物と代替するなど

・海関

模倣品の海外輸出を取締りを行う。

・知識産権局(IPO)

専利法に基づき取締りを行う。

特許権侵害、意匠権侵害、実用新案権侵害は、国家知識産権局(SIPO)の下部機関である地方知識産権局(APPA)が取り扱う。

 

<司法救済ルート>

●司法機関

中国の司法機関である人民法院は、「最高人民法院」、「高級人民法院」、「中級人民法院」、「基層人民法院」から構成される。

中国では、日本の「三審制」とは異なり、「二審制」が採用されており、知的財産権の侵害事件は、通常、中級人民法院が第一審となり、上級審にあたる高級人民法院が第二審(最終審)となるが、重大な影響を及ぼす事件は、高級人民法院を第一審とすることができる。

 

<行政救済ルートと司法救済ルートの比較>

行政ルート(AIC,TSB)〔商標権侵害〕、行政ルート(IPO)〔特許権・実用新案権・意匠権侵害〕及び司法ルート〔民事訴訟〕を比較すると、以下の通りである。

1.処罰

・行政ルート(AIC,TSB):模倣品の没収・廃棄、製造販売行為の停止、罰金

・行政ルート(IPO)   :侵害行為の停止命令、損害賠償の調停

・司法ルート     :損害賠償(強制執行可能)、侵害の停止

2.時間

・行政ルート(AIC,TSB):比較的早い(1~6か月程度)

・行政ルート(IPO)   :訴訟よりは早い

・司法ルート     :長時間を要する(一審は1年程度、二審は半年程度)

3.費用

・行政ルート(AIC,TSB):比較的安価(50~100万円前後)

・行政ルート(IPO)   :訴訟よりは安価

・司法ルート     :高価(数百~一千万円程度)

4.手続

・行政ルート(AIC,TSB):比較的簡単

・行政ルート(IPO)   :訴訟とほぼ同様

・司法ルート     :難しい

5.証拠

・行政ルート(AIC,TSB):比較的厳格ではない

・行政ルート(IPO)   :訴訟とほぼ同様

・司法ルート     :厳格に制限される

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